MQTT・CoAP・REST の違い
発行・購読型か、軽量な UDP か、URL へのアクセスか

更新日 2026年11月2日 読む時間の目安 約4分
この記事の要点
  • MQTT・CoAP・REST は、どれも IoT のデータをやりとりするときに使われる通信の方法(プロトコルや利用方法)です。
  • MQTT はブローカーが仲介する発行・購読型、CoAP は HTTP と互換性を保ちつつ UDP で軽くした方式、REST は HTTP で特定の URL にアクセスして XML や JSON を受け取る方法と覚えます。
  • 選択肢には、スマートハウス向けの ECHONET Lite や、IP を使わない NIDD も並びます。
この記事の目次
  1. MQTT とは
  2. CoAP とは
  3. REST とは
  4. 違いを表で比べる
  5. 試験での問われ方
  6. 覚え方
  7. 第5章の問題を解いてみる
  8. よくある質問

MQTT とは

MQTT は、メッセージを発行する側と受け取る側を、仲介役がつなぐプロトコルです。「メッセージ発行・購読モデル」と呼ばれ、3つの役が登場します。

  • パブリッシャー: メッセージを発行する側。データに「トピック」(どんなデータかを示す情報)を付けて送ります。
  • サブスクライバー: メッセージを購読する側。欲しいトピックをあらかじめ登録しておきます。
  • ブローカー: 両者の仲介役。トピック付きのデータを受け取ると、そのトピックを登録したサブスクライバー全員へ転送します。

送り手と受け手が直接つながるのではなく、必ずブローカーを通る点が特徴です。

CoAP とは

CoAP は、IETF が IoT 向けに標準化した、軽量な Web 転送プロトコルです。HTTP との互換性を保ちながら、次の工夫で負荷を軽くしています。

  • HTTP では140バイトほど必要なヘッダを、バイナリ化して4バイトに圧縮する。通信に必要なデータ量は、60%程度減ると期待されています。
  • 通信が成功したかを毎回確かめる TCP ではなく、確認の手続きをしない UDP を標準で使う。

処理の負荷が軽いので、電池で動くデバイスなど、能力に限りのある機器に向きます。

REST とは

REST は、HTTP との相性がよい、メッセージのやりとりの方法です。パラメータを指定して特定の URL に HTTP でアクセスすると、XML や JSON で書かれたメッセージが返ってきます。Web の仕組みをそのまま使えるため、IoT でも多く使われています。

ただし、REST は Web アーキテクチャの1つの考え方で、厳密な技術的定義が決められたものではありません。

MQTT・CoAP・REST の特徴 MQTT ブローカーが仲介する発行・購読型(トピックで配る) CoAP HTTP 互換で軽量。ヘッダをバイナリ化し UDP を使う REST HTTP で URL にアクセスし、XML や JSON で受け取る 仲介役は MQTT、軽さは CoAP、URL は REST
MQTT・CoAP・REST の特徴(もちこ道場のまとめ)

違いを表で比べる

比べること MQTT CoAP REST
方式 メッセージの発行・購読型 軽量な Web 転送プロトコル HTTP で URL にアクセスする方法
特徴的な言葉 パブリッシャー、サブスクライバー、トピック IETF、ヘッダのバイナリ化、UDP URL、XML、JSON
HTTP との関係 HTTP の互換方式ではない HTTP との互換性を保つ HTTP を使う
注意する点 送り手と受け手は直接つながらない 確認手続きのない UDP を標準で使う 厳密な技術的定義はない

試験での問われ方

IoTシステム技術検定 基礎では、第5章「IoTにおける通信方式を知る」で出ます。もちこ道場の第5章の問題(全90問)のうち、MQTT・CoAP・REST を扱う問題は8問あります。

  • 穴埋め: 「IETF で標準化され、HTTP との互換性を持ちながら、ヘッダのバイナリ化と UDP 接続で軽量化したプロトコル」に CoAP、「パラメータを指定して特定の URL にアクセスし、XML や JSON でやりとりする仕組み」に REST、「パブリッシャー・サブスクライバー・ブローカーで構成される発行・購読型」に MQTT を選ぶ。選択肢には、ほかの2つのほか、ECHONET Lite・NIDD・HTTP が並びます。
  • 2つの空欄の組み合わせ: 「MQTT」と「サブスクライバー」、省エネ化の「スリープ」と「CoAP」のように、続けて正しい語を選ぶ。
  • 記述を選ぶ: 「MQTT はブローカーを介さず 1 対 1 でつなぐ」「REST は厳密な技術的定義でリアルタイム性を保証する」のように、性質を入れ替えた記述を見抜く。

覚え方

  • MQTT は「仲介(ブローカー)」、CoAP は「軽い(UDP・4バイト)」、REST は「URL」。それぞれ、特徴的な言葉を1つずつ決めておきます。
  • 「購読」「トピック」が出たら MQTT、「IETF」「ヘッダの圧縮」「UDP」が出たら CoAP、「URL にアクセス」「XML・JSON」が出たら REST、と問題文の言葉から逆引きします。

第5章のほかの用語は「第5章 IoTにおける通信方式を知るの要点」にまとめています。

第5章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第5章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

IoT通信向けにIETFで標準化されたプロトコルであり、HTTPとの互換性を持ちながらも、ヘッダのバイナリ化によるデータ削減やUDP接続の採用により軽量化を図ったものを1という。

答えと解説を見る

正解は 3(CoAP)です。

【概要】

CoAPはIETFがIoT通信向けに標準化したWeb転送プロトコルで、HTTPとの互換性を保ちつつ、ヘッダのバイナリ化とUDP接続で軽量化している。

【図解】実験的機能

IoT向けの通信プロトコル IoT向けの通信プロトコル

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. MQTTあなたの解答 MQTTはブローカーを介してパブリッシャーとサブスクライバーをつなぐ発行・購読型であり、HTTP互換の方式ではない。
  • 2. RESTあなたの解答 RESTは特定のURLにHTTPでアクセスしてメッセージを得る仕組みであり、IETFで標準化した方式ではない。
  • 3. CoAP正解あなたの解答 CoAPは140バイトのHTTPヘッダを4バイトに圧縮し、確認手続きのないUDPで処理負荷を軽くしている。
  • 4. ECHONET Liteあなたの解答 ECHONET Liteはスマートハウスの設備系機器向けの規格であり、HTTP互換を保ってヘッダを圧縮する方式ではない。

問2

IoTシステムにおいてHTTPとの親和性が高い通信プロトコルの利用方法として、パラメータを指定して特定のURLにアクセスし、XMLやJSONなどで記述されたメッセージのやりとりを行う仕組みを1という。

答えと解説を見る

正解は 1(REST)です。

【概要】

RESTはHTTPとの親和性が高い方法で、パラメータを指定した特定のURLにHTTPでアクセスし、XMLやJSONで書かれたメッセージを受け取る。

【図解】実験的機能

IoT向けの通信プロトコル IoT向けの通信プロトコル

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. REST正解あなたの解答 RESTはWebアーキテクチャの1つで、IoTでのメッセージ交換に多く使われるが厳密な技術的定義はない。
  • 2. CoAPあなたの解答 CoAPはIETFがIoT向けに標準化した軽量なWeb転送プロトコルであり、HTTPでURLにアクセスする利用方法の名称ではない。
  • 3. MQTTあなたの解答 MQTTはブローカーを介してトピック単位でデータを配る発行・購読型であり、特定のURLにアクセスする仕組みではない。
  • 4. NIDDあなたの解答 NIDDはIPを使わずNB-IoTの制御信号にデータを載せる方式であり、HTTPでURLにアクセスする仕組みではない。
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よくある質問

HTTP と REST は同じものですか?

同じではありません。HTTP は Web サーバとクライアントが情報をやりとりする通信の手順で、REST は、その HTTP を使って特定の URL にアクセスし、結果を XML や JSON で受け取る利用の方法です。なお、REST には厳密な技術的定義が決められているわけではありません。「厳密に定義されていて、リアルタイム性を保証する」という記述は誤りです。

MQTT のトピックとは何ですか?

パブリッシャーが、送るデータの内容を示すためにデータへ付ける情報です。サブスクライバーは、欲しいトピックをあらかじめブローカーに登録しておき、ブローカーはそのトピックのデータを受け取ると、登録した購読者全員へ転送します。トピックは「/」で区切って階層的に表せます。

電池で長く動かすデバイスでは、どれを選びますか?

省エネの問題では、通信の時間を短くする工夫として、HTTP より軽い Web 転送プロトコルである CoAP が挙げられます。あわせて、ふだんはスリープ状態で待機し、必要なときだけ起動して通信する工夫も出ます。プロトコルを選ぶときは、軽量さや低消費電力のほか、データが最終的に届く工夫(到達性)なども見ます。

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出典・注記

出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. IoTシステム技術検定 基礎(MCPC 公式)