機密性・完全性・可用性の違い
情報セキュリティの3つの要件
- 情報セキュリティを守るには、機密性・完全性・可用性の3つの要件を満たす必要があります。
- 機密性は正当な人だけが見られる、完全性は壊されたり書き換えられたり消されたりしていない、可用性は必要なときにいつでも使える、と覚えます。
- スマートフォンでは、機密性と完全性は不正なアクセスを防ぐ機能の不足(本体ロックをしていないなど)、可用性は誤操作を防ぐ機能の不足で損なわれやすいとされます。
3つの要件とは
スマートフォンには、アドレス帳・電子マネー・メール・写真など、守るべき情報がたくさん入っています。情報セキュリティを守るためには、情報について次の3つの要件を満たす必要があります。
機密性とは
機密性は、正当な権利を持つ人だけが、その情報にアクセスできることです。言い換えると「関係のない人に見られない」ことです。
本体ロックをかけていないと、端末を拾った人や盗んだ人に中の情報を見られ、機密性が損なわれます。
完全性とは
完全性は、情報が壊されたり、書き換えられたり、消されたりしていないことです。「正しい状態のまま保たれている」と言い換えられます。
機密性と同じく、本体ロックなどの不正なアクセスを防ぐ対策が足りないと、第三者に情報を書き換えられたり消されたりして、完全性が損なわれます。
可用性とは
可用性は、情報が必要なときに、いつでもアクセスできることです。「使いたいときに使える」と言い換えられます。
スマートフォンでは、利用者の誤操作を防ぐ機能が足りないことが、可用性を損なう主な原因とされます。たとえば、うっかり大事なデータを消してしまい、必要なときに使えなくなる場合です。
違いを表で比べる
| 比べること | 機密性 | 完全性 | 可用性 |
|---|---|---|---|
| ひとことで | 見られない | 変えられない | 使える |
| 守られている状態 | 正当な権利を持つ人だけがアクセスできる | 壊されたり、書き換えられたり、消されたりしていない | 必要なときにいつでもアクセスできる |
| スマートフォンで損なわれる主な原因 | 不正なアクセスを防ぐ機能の不足・未使用 | 不正なアクセスを防ぐ機能の不足・未使用 | 誤操作を防ぐ機能の不足 |
| 損なわれる例 | 本体ロックをせずに落とし、中の情報を見られる | 第三者にデータを書き換えられる・消される | 操作を誤ってデータを消し、必要なときに使えない |
試験での問われ方
モバイル技術基礎検定では、第8章「モバイルにおけるセキュリティ」で出ます。もちこ道場の第8章の問題(50問)のうち、3つの要件を扱う問題は8問あります。
- 穴埋め: 「正当な権利を持つ人だけがアクセスできる」に機密性、「壊されたり書き換えられたりしていない」に完全性、「必要なときにいつでもアクセスできる」に可用性を選ぶ。選択肢には真正性・信頼性・有用性・脆弱性が並びます。
- 原因との組み合わせ: 「誤操作を防ぐ機能の不足で損なわれる要件」に可用性を選ぶ。機密性・完全性と原因を入れ替えた記述も出ます。
- 記述を選ぶ: 3つの要件の説明を入れ替えた記述を見抜く。
覚え方
- 3つを「見られない・変えられない・使える」の短い言葉で言えるようにします。説明の文が長くても、この3つのどれに当たるかで選べます。
- 原因は「機密性と完全性は他人のしわざ、可用性は自分の誤操作」とまとめます。
- 英語の頭の文字をとって CIA(Confidentiality・Integrity・Availability)とも呼ばれます。
第8章のほかの用語は「第8章 モバイルにおけるセキュリティの要点」にまとめています。
第8章の問題を2問、解いてみる
もちこ道場の第8章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。
問1
情報セキュリティにおける重要な要件の一つに、正当な権利を持つ人だけが情報にアクセスできる状態を維持することがある。モバイル端末において、本体ロックなどの機能を用いて第三者からの不正アクセスを防止することで守られるこの要件を1という。
答えと解説を見る
正解は 2(機密性)です。
【概要】
機密性は、正当な権利を持つ人だけが情報にアクセスできることを指す。本体ロックなどの対策が足りないと、第三者に機密情報を見られて機密性が損なわれる。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 完全性あなたの解答 完全性は、情報が破壊・改ざん・消去されていないことを指し、アクセスできる人を限定する性質ではない。
- 2. 機密性正解あなたの解答 機密性は、権限のある人だけに情報へのアクセスを限る要件であり、本体ロック等で第三者の不正アクセスを防ぐことで守られる。
- 3. 可用性あなたの解答 可用性は、必要なときに情報へアクセスできることを指し、アクセスできる人を限定する性質ではない。
- 4. 信頼性あなたの解答 信頼性は、システムが意図どおりに動作し続ける性質を指し、情報セキュリティの3要件(機密性・完全性・可用性)には含まれない。
問2
情報セキュリティを確保するには、機密性、完全性、可用性の3つの要件を満たす必要がある。このうち、情報が壊されたり書き換えられたり消されたりせず、正しい状態で保たれていることを1という。
答えと解説を見る
正解は 3(完全性)です。
【概要】
完全性は、情報セキュリティの3つの要件の一つで、情報が破壊、改ざん、消去されていないことである。
【図解】実験的機能
図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。
【各選択肢の解説】
- 1. 機密性あなたの解答 機密性は、正当な権利を持つ人だけが情報にアクセスできることであり、情報が改ざんされていないことではない。
- 2. 可用性あなたの解答 可用性は、情報が必要なときにいつでもアクセスできることであり、情報が書き換えられていないことではない。
- 3. 完全性正解あなたの解答 問題文の、情報が壊されたり書き換えられたりせず正しい状態にあるという内容に合う。
- 4. 脆弱性あなたの解答 脆弱性は、脅威に利用されるおそれのある端末側の弱点であり、情報セキュリティの3つの要件の一つではない。
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よくある質問
真正性や信頼性も、情報セキュリティの要件ではないのですか?
情報セキュリティの分野では、3つの要件に真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性を加えて考えることもあります。ただしモバイル技術基礎検定で「3つの要件」と問われたら、機密性・完全性・可用性の3つです。真正性・信頼性・有用性は、選択肢のまぎらわしい語として出てきます。
脅威・脆弱性・リスクはどう違いますか?
脆弱性は、端末の機能や設定の不備、誤操作のしやすさといった「弱いところ」です。脅威(盗難・紛失・不正なアプリなど)が脆弱性を突くと、3つの要件のどれかが守れなくなり、被害につながります。被害が起きるおそれをリスクと呼びます。第8章の同じまとまりで出ます。
端末をなくしたときの対策は、どの要件を守るものですか?
遠隔ロックは、拾った人に操作させないことで主に機密性を守ります。リモートワイプ(遠隔でのデータ消去)は、中の情報を見られないようにする最後の手段です。バックアップは、端末をなくしても必要な情報を使えるようにするもので、可用性を守ります。
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出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。