AR と VR の違い
現実に情報を重ねるか、仮想の空間に入り込むか

更新日 2026年11月2日 読む時間の目安 約4分
この記事の要点
  • AR と VR は、どちらも情報処理装置で現実や仮想の空間を作り出す XR 技術の仲間です。
  • AR(拡張現実)は、現実の映像に情報や仮想の3Dオブジェクトを重ねて、現実の空間を拡張する技術、VR(仮想現実)は、仮想空間の映像で、その空間にいるような体験をする技術です。
  • AR と VR の両方が混ざった状態は MR、これらの総称が XR です。ポジショントラッキングと平面検出も一緒に出ます。
この記事の目次
  1. AR とは
  2. VR とは
  3. MR・XR とは
  4. 違いを表で比べる
  5. 試験での問われ方
  6. 覚え方
  7. 第9章の問題を解いてみる
  8. よくある質問

AR とは

AR(Augmented Reality:拡張現実)は、現実の空間をもとにして、そこに情報や仮想の空間を加え、現実を拡張する技術です。スマートフォンやタブレットのカメラが撮る映像に、情報処理装置が作った情報や仮想の3Dオブジェクトを重ねて表示する方法と、スマートグラスで、眼鏡越しに見える現実の上に直接情報を重ねる方法があります。

スマートフォンで実現する AR を モバイル AR と呼びます。仮想の3Dオブジェクトを現実の世界に重ねて置くには、床や机などの置く場所を見つける平面検出と、端末の動きを追うポジショントラッキングが必要です。Android では ARCore、iOS では ARKit というライブラリがこれを支えています。

VR とは

VR(Virtual Reality:仮想現実)は、情報処理装置で作った仮想空間の映像を、主にヘッドマウントディスプレイで見せ、その空間にいるような体験をさせる技術です。現実の映像は使わず、視界を仮想空間でおおいます。

ヘッドマウントディスプレイには、向きを検知するジャイロセンサなどがあり、振り向くと、向いた方向の映像を描いて表示します。VR のコンテンツは、360度カメラで撮る実写コンテンツと、すべてをコンピュータグラフィックスで作る 3DCG コンテンツに分かれます。3DCG では、現実の自分が動くと、ヘッドマウントディスプレイの移動量を検出するポジショントラッキングが働き、仮想空間の中でも視点が動きます。

MR・XR とは

MR(Mixed Reality:複合現実) は、VR の仮想現実と AR の拡張現実の両方が混ざった状態の空間、またはそれを作る技術です。仮想と現実が混ざる割合はさまざまで、混ざった状態をすべて MR と呼びます。VR・AR・MR をまとめた総称が XR です。

AR と VR の違い 現実か、仮想か AR(拡張現実) 現実の映像に 情報を重ねる 平面検出が必要 スマホ・スマートグラス VR(仮想現実) 仮想空間の映像で 没入体験をする 視点が動く(3DCG) ヘッドマウント型の画面 AR と VR の両方が混ざった状態を MR という
AR と VR の違い(もちこ道場のまとめ)

違いを表で比べる

比べること AR VR
ひとこと 現実に情報を重ねて拡張する 仮想の空間に入り込む
見える映像 現実の映像に、作った情報や3Dオブジェクトを重ねる 情報処理装置で作った仮想空間の映像
主な表示装置 スマートフォン・タブレットの画面、スマートグラス ヘッドマウントディスプレイ
必要な技術 平面検出・ポジショントラッキング ポジショントラッキング(3DCG の場合)
注意すること ARCore(Android)・ARKit(iOS)で作りやすい 映像の遅れによる VR 酔い、子供の利用への配慮

試験での問われ方

モバイルシステム技術検定2級では、第9章「モバイルインターネットとコンテンツ技術」で出ます。もちこ道場の第9章の問題(全130問)のうち、AR・VR を扱う問題は9問あります。

  • 穴埋め: 「カメラで撮った現実の映像に情報や仮想3Dオブジェクトを重ねて表示する技術」に AR、「3DCG の VR で、ヘッドマウントディスプレイの移動量だけ視点を動かす技術」にポジショントラッキングを選ぶ。選択肢には VR・MR・メタバース、平面検出などが並びます。
  • 組み合わせ: 「仮想空間の映像で没入体験する技術」と「スマートフォンなどで現実に重ねる技術」に、VR と AR を正しい順で入れる。逆の順の選択肢が並びます。
  • 記述を選ぶ: 「実写の VR コンテンツは、仮想空間の中を自由に動ける」「13歳未満は一切禁止」のように、性質や決まりを取り違えた記述を見抜く。

覚え方

  • 頭の文字で覚えます。A は Augmented(増やした、拡張した)、V は Virtual(仮想の)。現実を足して広げるのが AR、仮想の世界に入るのが VR です。
  • 見える映像で見分けます。現実の映像が見えていれば AR、仮想の映像だけなら VR。両方が混ざると MR、全部まとめて XR です。

第9章のほかの用語は「第9章 モバイルインターネットとコンテンツ技術の要点」にまとめています。

第9章の問題を2問、解いてみる

もちこ道場の第9章の問題です。演習画面と同じ解説(図解・選択肢ごとの解説)を付けています。

問1

スマートフォンやスマートグラスのカメラで撮影した現実世界の映像に、情報処理装置で生成した情報や仮想3Dオブジェクトを重ねて表示し、現実の空間を拡張する技術を1という。

答えと解説を見る

正解は 1(AR)です。

【概要】

XR技術には現実環境や仮想空間を活用する多様な手法がある。カメラ映像にデジタル情報を重ね合わせることで現実空間を拡張する。

【図解】実験的機能

XR(VR・AR・MR)の違いと VR・モバイルAR の技術 XR(VR・AR・MR)の違いと VR・モバイルAR の技術

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. AR正解あなたの解答 ARは現実世界の映像に生成した情報や仮想オブジェクトを重ねて表示し空間を拡張する技術のため空欄(1)に適合する。
  • 2. VRあなたの解答 VRは情報処理装置で生成した仮想空間の映像により非現実の空間を体験する技術であり、現実映像を拡張する空欄(1)と異なる。
  • 3. MRあなたの解答 MRは仮想現実と拡張現実の双方を混ぜ合わせた空間を構築する技術であり、カメラ映像に情報を重ねる空欄(1)とは異なる。
  • 4. メタバースあなたの解答 メタバースはアバターで共有する3Dの仮想空間やサービス全般を指し、カメラ映像に情報を重ね表示する空欄(1)とは異なる。

問2

VRの3DCGコンテンツにおいて、現実の自分が移動した際、ヘッドマウントディスプレイの移動した量を検出し、その移動分だけ仮想空間内でも視点を移動させる技術を1という。

答えと解説を見る

正解は 2(ポジショントラッキング)です。

【概要】

3DCG空間における利用者の移動検知と視点追従技術に関する問題である。頭部や端末の位置変化を連動させる。

【図解】実験的機能

ポジショントラッキング(現実の移動を仮想空間へ反映) ポジショントラッキング(現実の移動を仮想空間へ反映)

図解は実験的機能です。内容を簡略化しているため、公式テキストの記載と異なることがあります。

【各選択肢の解説】

  • 1. ボリュメトリックキャプチャあなたの解答 ボリュメトリックキャプチャは実空間を3次元撮影する技術であり、視点移動の空欄(1)に合致しない。
  • 2. ポジショントラッキング正解あなたの解答 ポジショントラッキングは移動量を検出し視点を連動移動させる技術のため空欄(1)に合致する。
  • 3. 平面検出あなたの解答 平面検出はカメラ映像から平らな面を認識する技術であり、視点移動を行う空欄(1)に合致しない。
  • 4. レンダリングあなたの解答 レンダリングは計算処理により画像を描画出力する処理であり、移動検知を行う空欄(1)に合致しない。
問題を解いて確かめる

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よくある質問

VR 酔いとは何ですか?

ヘッドマウントディスプレイを着けて振り向いたときに、映像が作られて表示されるまでの遅れが大きいと、脳が混乱して気分が悪くなることです。VR 酔いは、この視覚の遅延が原因です。

子供が VR を使うときの決まりはありますか?

視覚が発達途上なので、エンターテインメントXR協会のガイドラインでは、7歳未満の利用は避け、7歳から13歳未満は連続20分の利用に対して10分から15分程度の休憩を取るよう促しています。「13歳未満は一切禁止」という記述は誤りです。

実写の VR コンテンツと 3DCG の VR コンテンツは何が違いますか?

実写コンテンツは360度カメラで撮影した映像なので、撮影場所が固定され、仮想空間の中を歩き回ることはできません。3DCG コンテンツは全部をコンピュータグラフィックスで作るので、自分が動くと視点も動き、物体に近づいて細部を見ることもできます。

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出典・注記

出題範囲は、2026年11月2日にMCPC の公式ページで確認しました。用語の説明は、もちこ道場の問題と解説をもとにまとめたものです。

  1. モバイルシステム技術検定2級(MCPC 公式)